ミネアポリスから始まったジョージ・フロイド氏の一件でNYCも連日荒れている。

デモも(本来の目的である)人種差別に対する抗議目的の方々と、特定組織による建物、警察車両への放火、店舗への破壊・略奪行為を行う輩の二手に分かれており、そこにここ数ヶ月自宅待機を余儀なくされ鬱憤が溜まった民衆が参加し規模が膨れ上がっている様子。

デモ隊と警官隊が衝突したユニオンスクエアの周辺でスーパーを営むオーナーが、数時間前に僕の店まで夜食を買いにきてくれ少し話をしたのだが、

「同地域の店舗の中でも、特に狙われているのはそれなりの値段がするもの・転売ができるものを扱うところなので、そういうビジネスは板を外壁に貼るなどこれ以上被害が拡大しないよう対応をしている」

とのこと。

シャネル、ロレックスなどはもちろんのこと、アップルなども格好の的となってしまった。もはやここにおいては人種差別問題など全く関係ない。治安悪化を望んでいる集団がいるとしか思えない。

ただでさえコロナ禍で苦しい経営状態であるリテールビジネスに対し追い打ちとなることは間違いない。

現在の所、既に数百人を超える逮捕者が出ている。マンハッタンにあるうちの第二店舗の周辺も結構破壊されているようで、今日も同地域でデモの行列が見られたとの報告があった。





実は先月、同店舗の前にホームレスの一団が突如現れ、空き缶回収ビジネス(街中の空き缶を拾ってきてお金に変える)のベースキャンプを作ってしまい地域住民や警察を巻き込みながらなんとか先週追い出したところ。一難去ったらまた一難。

NYCで店舗を維持するコストの高さといったら、、、もう涙が出る。

幸運にも?ホームレス対策にちょうどバリケードを張り巡らしたので、今後暴徒化した人々があえてそれを破壊してまで店舗に侵入する理由もあまりないとは思うのだが、うーん、やっぱり何かされると後片付けが面倒なので勘弁願いたいところ。

以前大いに落書きされた店舗のシャッターも塗り直したばかりだから、頼むからもう下手くそな絵は描かないで欲しい。歌舞伎役者とか描いてくれるならばいいんだが、まぁそんなことは無いわけで。

やはり第二店舗の様子が心配なので今晩行こうかどうかかなり迷ったが、本日23時から明日朝5時までは瓦礫の撤収などの作業を行うので外出禁止との通達が市からきてしまい、第一店舗での営業を22時に終えてから向かったとしても途中で逮捕されるかもなのでやめることにした。

それにしても、、今回の事件は人種問題を越えたところにあることは明白である。差別に対する抗議活動ならばある程度の期間で落ち着くことが予測されるが、もし一部の報道の通り、破壊活動を先導する組織の目的がただ社会を混乱に陥れるということではなく政治的なものであるならば、これは米国が分断、また大国同士が対立したことによる結果なのだから、少なくとも大統領選挙まではこの週末に起こったようなことが断続的に起きるということであろうか。

コロナ禍はこれから世界に起きる大きな変化のきっかけに過ぎなかったのかもしれない。

こんな状況下でどうやってここNYCでビジネスを継続していけばいいのか。。悩む日々が続きそうである。