今日のNYは少し寒かったな。ちょっとだけ雪っぽいものが降ったかと思う。

殆どの方は外出を自粛している状態のため、(コロナ以前の)通常営業時と異なり気候による食の配達件数の変動はほぼないのだが、僕はスクーターでフード配達をしているため天気が崩れると過酷度が増す。

実際のところ僕自身は大雨でも猛吹雪でもレインウエアーを羽織っている時間がもったいない(というかあまりに使っていなくてどこか行った)ので時にシャツ一枚で配達に飛び出ることもあるし、別にずぶ濡れになっても人間の体は温かいので15分もすれば乾くものだし、というか店舗に戻ってきても次の配達でどうせまた濡れるし、もっと言ってしまうと仕事終わって家帰ったら風呂に入ってまた大いに濡れるし、こうやって人間は濡れたり乾いたりを人生で何度も繰り返して生きているので大してその点は気にしないのだが、一番困るのはスクーターが壊れてしまうことである。

僕のスクーターは他の配達専業の方が使っていらっしゃるような$1000越えのものとは違い$400程度のものなので雨に弱い。特にバッテリー充電部分がやられてしまい過去に何度も買い換える羽目になっている。

今ではNYCの街中で誰もが当たり前のように乗る時代になったこの電気スクーター、僕は黎明期の4年前くらいからほぼ365日仕事で最低でも18-20マイル程度は日々乗っており、NYで、いや世界でも「電気スクーターの走行距離」でトップ10に入るのではと思っている。


アミーゴさん、中国人の方々が料理配達の際に乗っていらっしゃる電動自転車と違い、速度は多少遅いのだが代わりにデッキ(足場・立つところ)があるのでそこに荷物を載せることができ、毎日食だけでなく色々なものを街中運んでいる僕にとって必須、いやこれがなかったら僕の生産性は50%は落ちるので正直ビジネスが成り立たないと言っても過言ではない。


街中で警察官に「おーそれどこで買ったのか、かっこいいねー」と何度も話しかけられるくらいなのだが、実は意外なことに未だ公道での利用は正式には許可されてはいないとのこと。よって日本ではほとんど見られないこの電気スクーターについてヘビーユーザーの視点から話したいことは山程あるのだがグチャグチャ言う人が出てくるとめんどくさいのでこの場では今は書かないことにしておく。

個人的に相談には乗るので興味がある人はご連絡ください。

それにしても、ここ三週間くらい配達をしていて感じるのだが、家から出てくる人たちがどんどんやつれていっている気がする。今日も、薄暗い部屋の中からボサボサの髪の女性がヨロヨロと寝間着姿で出てきて、(まぁ飛沫感染したくない気持ちは分かるが)目も合わさず無言でお金を差し出しさっとラーメンを掴み取っていく姿を見ると、

普段だと、

「まぁ俺はこの国で男性としての魅力ゼロの虫けらだからそりゃそういう対応になるよね」

と思って納得できるのだが、今の状況下では、

「きっともう何週間も人と会っていなくて見た目とか気にしなくなっちゃったのかな」

「もう夕方なのに毎日やることなくて寝ているだけなのかな」

と思ってしまうよね。

一刻も早くこの状況が収束することを願うばかりである。