今日は朝からManhattan地区にある自社第二店舗へ向かう。

いつもは大渋滞の各通りは全てガラガラなので、ど真ん中をスクーターのアクセルを全開にして走る。街のゴミもかなり減ったし、何度も過去の投稿でも言っているように空気が随分ときれいになった気がする。多くの店舗は閉鎖しており、出歩いている人もほとんどいない。唯一人がいるのがスーパー。各店、店舗内の人数調整のため入場制限をしており、店の前に長蛇の列が見られる。

よく「NYの治安は大丈夫?」と聞かれるのだが、現在の所、コロナ騒動以前と比べ僕の周囲では大きく変わったということはない。ただもちろんあまり良いとは言えなそうだが。


僕が経営するEast Village地区にある店舗では主にイベント・クラスを行っており常時オープンしているわけではないのだが、Queens店と同様に飲食店ライセンスを保有しているため外出禁止令中であってもデリバリー・テイクアウトを行うことは許可されている。しかし、数週間前にNYの感染者がどっと増え始めた頃に店舗の窓数カ所に大きくスプレーで落書きをされ、この地域では従業員の安全を確保することができないと判断し同店は閉鎖することにした。

僕が住むQueens地区でも最近は毎週のように様々な店舗・建物の壁などに落書きが増えていっており、実際に数日前にも僕とスタッフが通常営業を終え深夜2時くらいにスクーターに乗り帰っている時に高架下の柱にスプレーを吹き付けている若者二人組を見かけた。外出禁止令下、更に深夜帯に街中に人がいることはほぼありえないので彼らも突然現れ猛スピードで向かってくるスクーター二台に少し驚いている様子だったが、僕らもこんな周囲に誰もいないところで揉め事になりたくないので少し距離を取りながら横をただ通り過ぎていった。

直近でこんなことがあったので、監視カメラで異常がないことは一応日々確認はしてはいたがやはりManhattann店のことが気になり本日向かった次第である。結果、特に問題はなかったため安心したが、もうここ二週間ほど来ていなかったので、もしまた落書きやら投石やらされていたらと心配になっていたのである。

日本に住む方は「投石って?」と思われたかもしれないが、(高級住宅街を除いて)NYで店舗を経営している方ならば自社店舗が被害にあったことがあるかどうかは運だとしても、少なくとも数回は他店の窓ガラスが割られているのを見たことがあると思う。

うちのQueens店では数年前に、黒人の若者数人たちに突然石を投げつけられ窓にヒビが入ったことがあるし、隣の食器屋はクリスマスの休業日に入り口のドアが割られレジのお金が盗まれたことがある。Manhattan店の隣の古着屋でも一年前くらいだっただろうか、日中に何者かに窓を割られてしまい、店長が泣きそうな顔をして破片を掃除しているのを手伝ってあげたのを覚えている。

さらに、、、以下はもうNYでは当たり前過ぎて「治安」と呼ぶのかも既に分からないが、店舗前に人糞が落ちていてビルの住人と処理したこともあるし、小便に至っては毎月何回も目撃することなのでもはや驚きもしない。店舗に向かってしようとするので、チャックを下げたところで怒鳴りに出て無理やり行為を止めさせたこともある。物陰で女性がお尻をペロッと出して用を足しているのをスタッフと目撃してしまった時は流石に絶句であったが。この街には公衆トイレがほとんどないため酔っ払った若者たちが我慢できず街中でしてしまうのだ。興味のある方?はUrination(放尿)+New Yorkで検索をしてもらえればと思う。

誤解のないように言っておくが、これらのことは現在の異常な状態=外出禁止令下によって特別に起こっているというわけではなく、NYの通常の光景である。普段からこんな感じなので、僕みたいなものはちょっとそこら辺の感覚が麻痺していてあまり現在の治安について細かい変化に気づくこともなさそうである。ちなみに、僕が経営する二店舗はどちらも全く治安が悪い地域にあるわけでもないというのも伝えておきたい。East Village地区などは若者たちの遊び場であり、界隈はセレクトショップやお洒落なバーが乱立し週末は大賑わいだが、NYの若者は日本の若者と少し常識が違うのだろう。逆にこの話題の中で日本では見られここNYにはないものは、嘔吐くらいである。

今日ざっと周辺の店舗を見るに、窓は以前より割れている店舗も多かったし、落書きも増えていたが(二件隣のスタバの窓が悲惨。。)、通常より少しひどいくらいで、混乱ということは全くないと感じた。

さて、Manhattann店の無事を確認しほっとしたところでまた無人の街を突っ走りQueens店にまで戻ってきた。デリバリー営業開始。